「表舞台できちんと議論せよ」(4月20日東京新聞社説要旨) 少年法のような基本法の改正を政治的思惑を絡めた裏交渉で強行するのは許されない。名古屋の事件を少年法に利用するのは明らかに問題のすりかえである。少年犯罪にどう対処すべきか、国民の目に見える形で論議を尽くすべきだ。政治的駆け引きをやめ、次の国会に持ち越しして議論を尽くすべきである。 「票狙いでもてあそぶな」(4月21日朝日新聞社説要旨) 少年法をめぐる最近の自民党の動きは、少年犯罪に積極的な姿勢を示せば票になる、という思惑からのもので、社会の基本ルールの見直しを党利党略に使おうとするもの。改正案の趣旨を名古屋事件は直接のつながりはないのに、ムードで世論を動かそうとしている。選挙の思惑を排し、少年法めぐる議論を本筋に戻さなければならない。乱暴で拙速な処理は厳に慎むべきである。
最高裁第1小法廷(大出峻郎裁判長)は19日、原告と被告の主張を聞く弁論を12月9日に開くことを決め、関係者に通知した。書面審理中心の最高裁が弁論を開くことから、少年審判と同様に「少年は有罪」と認定した東京高裁判決が何らかの形で変更される公算が大きい。(毎日新聞)1999.10.19 最高裁、草加事件賠償で二審破棄(2/7) 埼玉県草加市で一九八五年七月、女子中学生が遺体で見つかった「草加事件」で、被害者の両親が、殺人と婦女暴行未遂の罪で保護処分(有罪)を受けた少年(当時)三人の親を相手取り、損害賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第一小法廷(大出峻郎裁判長)は七日、少年らの自白の信用性を認めた二審・東京高裁判決を破棄し、審理をやり直すよう同高裁に命じました。差し戻しの後の控訴審では、少年が「無罪」とされることは確実とみられています。 (少年冤罪草加事件弁護団声明文) -------------- この事件では (1)少年らは当初認めていた供述を翻し否認に転じた (2)検察側提出の鑑定書が指摘した犯人の体液や毛髪の血液型(AB)と、少年らの血液型(O,B)が異なっていた ことなどから、少年審判だけでなく、民事訴訟でも、少年らの供述と鑑定の信用性が最大の争点となった。 --------------- 最高裁で弁論が開かれる場合は2審判決が見直されるケースがほとんどで、来春にも予想される判決では「少年らは無罪」の方向で東京高裁判決が変更される可能性が出てきた。 児童虐待防止へ法整備を 研究会の集会栃木大会開幕 総会で初の宣言採択 全国から2000人が参加 (下野新聞)1999.11.20 子どもの虐待防止に携わる専門家、研究者ら約二千人が一堂に会した「日本子どもの虐待防止研究会第五回学術集会・栃木大会」が19日、宇都宮市の県総合文化センターで開幕した。総会では、児童虐待防止法の議員立法化の動きを受け、同研究会として初めて宣言を採択。「子どもの虐待防止宇都宮宣言」として、国に虐待防止のための法整備と関係機関の充実を求めた。また、初日は「子どもの権利条約」から見た虐待問題や厚生省の児童虐待に対する取り組みについての講演などが行われた。(虐待が子どもの心に与える影響) 新庄・明倫中損害賠償訴訟 目撃証言を翻すバスケ部元生徒「警察が厳しく追及」 (河北新報)1999.9.8 新庄市の明倫中体育館で平成五年一月、児玉有平君=当時(一三)、一年生=が死亡した事件で、父親の幼稚園経営昭平さん(五〇)=新庄市北町=が、逮捕、補導された元生徒七人と市に一億九千万円の損害賠償を求めた訴訟の口頭弁論が七日、山形地裁であり、当時二年生で、事件当日に体育館にいたバスケットボール部の元生徒(二〇)に対する証人尋問が行われた。元生徒は、有平君傷害致死事件の少年審判での「逮捕、補導された少年らがマット室で有平君を取り囲んで、マットのすき間に押し込んだ」とする証言を全面的に翻し、「自分のいた場所からはマット室の中までは見えなかった」と証言した。少年審判での証言について元生徒は「警察の取り調べで、目撃していないと主張すると、『うそだろう』などと厳しく追及された。早く家に帰りたい一心から、見てもいないことを話した」と述べた。少年審判では、山形家裁が、逮捕、補導された少年三人を刑事裁判の無罪に当たる不処分とし、山形県警から県中央児童相談所に送られた一人が在宅指導処分となった。残る三人は保護処分とされて仙台高裁に抗告。同高裁は抗告を棄却している。捜査を担当した新庄署は「事件にかかわった人間がいないので、コメントは差し控えたい」としている。
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