2000年10月31日

日弁連子ども権利委員会
   委員・幹事各位

委員長 斉藤 義房

少年法「改正」法案の国会情勢報告と会長談話の送付について

本日、衆議院は少年法「改正」法案の採択を強行して、法案を参議院に送付しました。参議院は明日、本会議を開き、与党三党が法案の趣旨説明を行います。

 日弁連会長は直ちに後記の「会長談話」を発表しました。各地において緊急に法案反対の声を参議院に集中していただきますようにお願いいたします。


会 長 談 話


 衆議院法務委員会および同本会議は、本日、少年法「改正」法案を採択した。

 10月24日に与野党議員がそろって本格的な審議を開始してから、わずか1週間後の採決であり、当連合会及び少年司法の実務に携わっている人々はもとより、少年犯罪被害者の方々からも慎重かつ十分な議論を求める声が上がっているにもかかわらず、採決に至ったことは、きわめて遺憾である。

 衆議院法務委員会の短期間での審理においてすら、次のようだな問題点が明らかになっている。

1.少年犯罪の「若年化」「凶悪化」の主張には根拠はないこと。

2.法案を提案した与党議員ですら、今回の法「改正」で少年犯罪は減少しないことを認めている。

3.被害者に対しては精神的支援、経済的・法的援助を含む総合的な支援こそが求められており、被害者への情報開示および被害者の意見表明については捜査段階から保障されるべきものであること。

4.事実認定の適正化のためには、捜査の改革が不可欠であり、予断排除原則や厳格な証拠法則のない審判廷に検察官が出席することでは適正な事実認定につながらないこと。

5.検察官の抗告受理申立権は、家庭裁判所の処遇決定に検察官が関与する途をひらくものであること。

 当連合会は、21世紀に向けてより良い少年司法制度を実現するため、参議院がこれら法案の重大な問題点を、改めて徹底的に審議にされるよう強く要望する。

平成12年10月31日
 

日本弁護士連合会
会長 久保井 一匡

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