草加事件について

警察官らの強制・誘導による自白と証拠の認定。捜査機関は、精液、唾液、毛髪のAB型の3点の遺留物(物証)と少年らの血液型に関する鑑定資料などの少年らに有利な証拠を家裁に送らなかった。家裁に送られたのは自白調書とそれに関連した実況検分調書等のみであった。少年らは鑑別所、家裁で順次自白を撤回したが、家裁は供述が変遷しているにもかかわらず自白を重視した。抗告審で被害者のシャツについていた毛髪、スカートについていた精液、被害者の乳房についていた唾液を鑑定し、いずれもAB型の血液型のもので少年らの血液型(BとO、被害者A)とは違っていたが、高裁も自白を重視した。

少年警察活動と子どもの人権
(日本評論社)から