子どもの視点から少年法を考える情報センター

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第3場 その1


    仁はウオークマンを聞いている。英太は漫画を読んでいる。
    朋則とさやかが、カードゲームをしている。真理はぼーっとしている。


英太 (おどけて)仁ちゃん。ちょっと行って、缶ジュース買ってきてくれない。

   (ウオークマンを聞いているので、聞こえない)

英太  ねえ、仁ちゃんったら。

英太、腹ばいのまま、仁に近づき、イヤホンをはずす。

英太  缶ジュース買つてきて!

   (むつとして)なんだよ。僕、ほしくないよ。

英太  僕は、ほしいんですけど。

仁   じやあ、白分で買ってくればいいじやないか。

英太  へえ、新入りの仁君が、急にずいぶんえらくなっちやったんだね。

   いっておくけど、僕のほうが、一年先輩であることを、お忘れなく。

英太  さすが、お医者様のお坊ちゃま。おえらいことで。
    
    仁、起き上がり、英太にのしかかって、殴りかかる
    英太、頭を神さえて、「うわあ」と絶叫し、動かなくなる。
    仁、振り上げたこぶしをとめる。
    朋則らが気づいて、見ている。


   英太、どうしたんだ。おい、英太。

    仁、英大をゆすぶる。
    英太、仁の下からはいだし、立ちあがる。形相が変わっている

    ポケットから、ナイフを出す。

英太  このやろう。ぶっ殺してやる。

朋則  (英太の背後から、抱きかかえる)英太、やめろ。

    園長、真木が駆けつけてくる。
    二人とも、英太に飛びつく


園長  英太。やめろ。

    真木がナイフを取り上げる
    英太、ヘなへなと座りこむ。

真木  こんなもの、どこに隠していたんだ。

園長  いったい、どうしたっていうんだ。

朋則  英太が仁をからかったんです。仁が怒って、英太に飛びかかったら、英太が急に切れたんです。

園長  英太、英太。(英太の肩に手をかけて揺さぶる)

    英太は呆然としている。

園長  真木君、英太をとにかく、園長室へ連れていって、寝かせよう。そっちを抱えて。君たちもくるんだ。

    
全員、退場
    
真木、杉野が椅子を二脚ずつ持ってきてセットし、退場


  

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もがれた翼 パートY
〜子どもたちと弁護士が
作るお芝居
この物語はフィクションです。
でも本当に
フィクションでしょうか。

児童福祉施設に送られた
子どもたち
ある日、事件が起きて、、、、
家庭で受けていた
虐待の事実が明らかになる
親に愛された経験がない
この子らを
責められるだろうか
私は何のために生まれてきたの!
私は誰かに愛されるだけの
価値がないの!
誰か、私を愛して

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国立市市民芸術小ホールにて
上演 (4月22日)


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