無責任な少年法「改正」法案に抗議します

(2000年9月19日)

「強行すれば世紀の恥辱」(団藤重光元最高裁判事の言葉)と評された検察官関与を軸とした「改正」法案は、多くの市民の反対の中で、先の国会で廃案になりました。

 しかし、こともあろうに、今回の法案は、先に廃案になった法案に、新たに14歳以上に刑罰適用年齢を引下げ、16歳以上の一定の凶悪事件は原則刑事処分にするというような条項を加え、極めつけの厳罰化法案として上程されようとしています。当然刑事処分になる場合は、大人と同じ公開の刑事裁判に付されます。

 その上、この法案は議員立法という与党の政治家だけで、政治的駆け引きの中で上程されようとしているもので、法制審議会にさえかけられていません。

 この「改正」法案は、この間の少年たちの犯罪を口実にして意図的に「凶悪化」状況が作られ、その「凶悪化幻想」の中でできた「世論」のもとに作られました。
  
 子どもの犯罪は、その時々の社会の歪みや大人社会の行動を敏感に映す出す「社会病理」だということを忘れてはなりません。わたしたちは、大人の側が子どもの成長を保障する責任を放棄し、自分を棚に上げて子どもを力でねじ伏せようとする、このような「改正」の動きを絶対に許すわけにはいきません。

 厳罰化は犯罪予防効果もなく、逆に犯罪をふやすだけということは、厳罰化をした他国を見ても明かです。犯罪予防も再犯防止にも効果がないという実証的研究はアメリカなどでは多くなされています。このまま「改正」を強行して、後日失敗だったと言うことが許されるでしょうか。
 
 少年法は社会や教育の在りかたに関する基本的な法律の一つです。少年に対するだけでなく日本の将来の安全にかかる法律でもあります。したがって、少なくとも、現行少年法ができた後の少年犯罪の状況、現行少年法が果たした役割、「改正」するとどのような状況になるかの見通し、これらは最低、実証的に検討すべきです。もちろん、その場合、関係者の意見を十分聞き、協議する必要があります。決して政治家だけで決めるべきではありません。

 これまでも、新聞の社説や識者から、現行少年法の役割を無視した議論に、「頭を冷やして冷静に議論せよ」、「実証的に検討せよ」、と指摘されてきましたし、現行少年法を変えることによって生じるリスクは余りに大きい、と指摘されてきました。

 これをこのまま強行した後に予想される厳しい状況には誰が責任を持つのでしょう。

 少なくとも、少年犯罪をとりまく状況を実証的に検討し、その上で必要があるなら、それを市民に示したうえで改正の手続をしてください。それのない「改正」法案は直ちに撤回すべきです。

検察官関与に反対し少年法を考える市民の会


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