少年非行とその認識に関するアンケート
送信先:(検察官関与に反対し少年法を考える市民の会)
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1 少年犯罪全体の検挙人員について
@少年刑法犯の検挙人員及び人口比の推移(昭和21年〜平成10年)
警察庁の統計及び総務庁統計局の人口資料による。
昭和45年以降は、触法少年の交通関係業過を除く。
(犯罪白書平成11年版)
1983年(昭和58年)の31万7,438人をピークに前後数年間30万人台で推移し、その後、1995年(平成7年)19万3,308人まで、減少し、近年緩い上昇を見せ、一昨年22万1,410人となっています。1999年は24万人でした。
A少年犯罪の状況(犯罪白書平成11年版より作成)
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・少年刑法犯罪総数(交通犯罪を除く)
・窃盗、横領人員数
・凶悪犯(殺人、強盗、強姦、放火)人員数 |
少年犯罪の検挙人員総数は、昨年24万人検挙されたとされますが、A図のように、そのほとんどは、窃盗(万引き54.1、オートバイ盗17.2、自転車盗15.4%を始め、ほとんど放置自転車の乗り逃げです)。A図は交通事犯を除いた少年刑法犯検挙人員ですが、1998年(平成10年)では85.2%が窃盗と横領です。最近の少年犯罪の検挙人員の増減は、窃盗と横領の増減で決まります。一方凶悪犯の占める割合は1998年(平成10年)では1.29%です。1966年(昭和41年)では3.80%を占めていました。
Q:少年犯罪の検挙人員総数の多く窃盗・横領によるもので、その増減が少年犯罪の増減をもたらす、ということはご存じでしたか。
2 殺人事件は増えているでしょうか。
殺人(未遂・予備も含む)の増減について
B凶悪事件と銃刀法違反の概要(平成11年度犯罪白書・警察の検挙人員)
(単位人数 殺人 強盗 強姦 放火 銃刀法)
B表のように、警察による殺人検挙人員は、少年法成立時1948年(昭和23年)354人。少年法施行当時1949年(昭和24年)334人、以下1960年(昭和35年)まで、300〜400人台を超える数値が続きました。
少年犯罪の戦後最大のピーク時である1985年(昭和60年)で100件。1999年(平成11年)では110人(警察庁生活安全局少年課統計)です。
Q:少年法成立時、殺人検挙人員が345人いたことをご存じでしたか。
Q:少年による殺人検挙人員のピークが1951年(昭和26年)、1961年(昭和36年)であることをご存じでしたか。
3 殺人以外の凶悪犯は?
表Bのように、強姦と放火は明らかに減少しました。
強盗に最近増加傾向がみられますが、強盗は、恐喝や窃盗と傷害の場合との区別が難しく、少年強盗は、いわゆる「押し込み」は少なく、路上強盗が多く、特にこの区別が難しいものです。検挙方針によって数値に違いがでます。少年の強盗に見られる特徴としては、共犯が多く検挙人員が一挙に増える結果ともなります。
しかし、少年法成立当時、1948年(昭和23年)は、3,878人あるのに比して、1978年(昭和53年)の522人の最低となり、1998年(平成10年)は、1,566人です。
強姦も1958年(昭和33年)4,649人、1998年(平成10年)には、460人と、10分の1となっています。
Q:少年による凶悪犯検挙人員が、少年法成立当時の1948年(昭和23年)は、現在より2,000人以上も多かったことをご存じでしたか。
4 犯罪を犯した少年たちの立ち直り状況は?
イ.家裁に送られる少年のうち、再犯者の占める率は、最近低い傾向にあります。Dの表参照
ロ.少年院に送致された少年の再犯率(少年時代)は、1998年(平成10年)には24.3%でした。
ハ.殺人で少年院に収容された少年の再犯率(同)は、1988年(昭和63年)から1997年(平成9年)までの累計で12.1%でした。しかし、再犯で凶悪犯罪を犯すケースは、10年に一人いるかいないかです。(犯罪白書平成10年版より)
ニ.1998年(平成10年)の刑務所の新受刑者(裁判の確定により初めて刑務所に入所した者)のうち、少年院経験者は10.5%です。
E非行少年率の推移(犯罪白書平成11年版)
1. 警察庁の統計及び総務庁統計局の人口資料による。
2. 「非行少年率」は、少年刑法犯検挙人員の同年齢人口1,000人当たりの比率である。
3. Aは昭和53年に12歳で昭和60年に19歳、Bは昭和56年に12歳で昭和63年に19歳、Cは昭和59年に12歳で平成3年に19歳、Dは昭和62年に12歳で平成6年に19歳、Eは平成2年に12歳で平成9年に19歳の各非行少年である。
4. 交通関係業過を除く。
ホ.図Eのように、日本では、どの時代でも、犯罪発生率が高いのは、14から16歳であり、それ以降、急速に犯罪発生率が低下します。16歳をすぎた急速の犯罪発生率の低さは、少年法制による処遇が効を奏していることを示しているもの、と思われます(諸外国では、18歳から20歳までの犯罪発生率は、18歳未満のそれより1.5倍から2倍もありますので、年齢が高くなるから犯罪発生率が低まるとは言えません)。イに記した少年の再犯率の低さもそれを裏付けます。
ヘ.一方、残念ながら、刑務所収容者の再入所率は高く推移しています。
1993年(平成5年)の刑務所出所者のうち、1998年(平成10年)までの再入所者は、満期釈放者で60.8%、仮釈放者では38.7%でした。(このうち、満期釈放者は翌1994年内で34.5%、1995年内で46.7%、1996年内で53.3%が再入所しています。)なお、これは刑務所再入所ですので、再犯をしても執行猶予がついた場合等は含まれません。
ト.こうしてみると、刑務所収容者の再犯率の高さに比べ、少年院収容者の再犯率は低いというべきです。
Q:少年院に送られた少年の更生率が、刑務所収容者より高いことをご存じですか。
Q:殺人事件で少年院に送られた少年たちが、凶悪犯罪で再犯することが、10年で一人もいないことをご存じですか。
5 諸外国との比較
F少年の殺人検挙人員(10万人当たりの人口比 但し、ここでは18歳未満を少年とする)
1996年(犯罪白書平成10年版より作成)
図Fのように、先進五カ国で刑法犯で検挙された18歳未満の少年の人員比較(人口10万人当りの人員)をするとき、1996年では、ドイツは7,587人、イギリス3,063人、フランス2,310人、アメリカ2,045人日本1,671人でした(1996年の比較。犯罪白書平成10年版)。
人口10万人あたりの殺人検挙人員の比率では、ドイツ5.9人、イキリス2.6人、フランス2.4人、アメリカ7.1人、日本0.5人です。
Q:日本の少年による殺人事件検挙人員が、ドイツの7/12、アメリカの約1/14であることをご存じでしたか。
Q:諸外国と人口比率を考慮しても、少年犯罪の発生率が低いことをご存じでしたか。
6 少年犯罪の見方
法律学者や弁護士は、少年事件全体が安定した状態にあり、少年司法と処遇は、再犯率を低く押さえ、少年の更生に実質的に効果を上げているとう見解です。
アメリカでは、少年事件の受刑者が10万人います。更生への取組みを低下させた結果、初犯が少年時代である人々は7割以上であり、更生の機会がないまま大人になっては成人刑務所を出入りする人々が存在します〈全米の成人受刑者総数は132万人、その他の拘禁施段を含めると182万人が収容されています。また保護観察を受けている人々は300万人おり、なんらかの刑に服している人口は500万人に上ります)。
Q:現在の少年法と少年への処遇が、本人の立ち直りのみならず、社会防衛のためにも効果があるとされた場合、「保護育成」を柱とする少年法を支持しますか。
今後、子どもたちが育つためになにが必要か、少年非行にはしってしまった子どもたちへの処遇についてお聞かせ下さい。
(以上)
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