今回の少年法「改正」審議で、多くの市民が関心をもちました。しかし、少年法がどのような法律なのかを、よく理解されないままに、衆議院で可決されてしまいました。やっと、これから審議をはじめるのだろうと思っていた矢先です。

 傍聴席で衆参両議院での与党の発言を聞いていると、いつの時代の子どもの話をしているのだろうかと思ってしまいます。自由がありあまって、おとなの理解できない好き勝手な行動をしていると思っているようです。今の子どもたちの状況を全然解っていないで、すすめているとしか思えません。

 子どものを非行といっていますが、問題なのは、おとなの非行、政治家の非行です。

 10月20日の不信任決議の時に松波議員の「コップ水かけ事件」がいい見本です。その彼が、少年法「改正」の与党案の提案者なのですからあきれてものが言えません。プッツンと切れるのはおとなではないでしょうか。

 これを見ていた子どもたちは、どう感じたと思いますか?それに与党席はほとんどガラガラです。まじめに審議する気は感じられません。子どもは「政治家の責任」をどう思うでしょうか。

 「改正」案に対し、多くの問題や疑問点がだされた訳ですから、提案者は、それらにきちんと向き合って、どうすることが「子どもの最善の利益」になるのか、社会にとっても本当はどうするのがよりよい方法なのかを十分考えをすべきです。

 まずは、「少年法」に直接かかわる現場で、いま働いている人たちの話を真摯に聞いてください。またデータもきちんと検証し、ちがいをつき合わせて、かみ合った議論をして、ほしいものです。今からでもしっかり審議し直してほしいと願わずにおれません。

 被害者の問題に関しては、すべての議員が、反対していないのですから、この件に関してだけ切り離して立法を急いだらよいと思います。

(市民の会・味岡尚子)

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