私たちは、子どもの非行と福祉にかかわっている者です。
このたび少年法改正法案が国会で審議されていますが、その内容は、低年齢の子どもの非行についての福祉優先原則に重大な影響を与えるものとして危惧しています。
子どもの健全な成長発達にとって、成育過程における良好な家庭的環境と福祉的配慮が決定的に重要であることは言うまでもありません。また子どもたちの非行等の問題行動の背景に、家庭的環境と福祉的配慮の欠如があることは、最近の家庭内虐待と非行に関する一連の調査でも明らかであり、従って子どもたちの非行を単に処罰の対象として対応すべきではなく、家庭的環境と福祉的配慮を充実させる方向で対応すべきである、ということが、ようやく社会的な合意になってきました。
ところが上記改正法案は、これに逆行し、直接の厳罰化でこそありませんが、低年齢の子どもの非行にづいての警察と司法の役割を強化し、福祉の役割を後退させ、現行の福祉優先原則を崩しかねないものと考えます。
以上のとおり、この改正法案に対する危惧を表明します。
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