少年のえん罪はこうして作られる・・わたしの経験から

事務所荒し・・目撃した犯人は、40代サラリーマン風なのに
 先日、とても怖い目にあいました。
 夜10時すぎに事務所に荷物をもって行った時のことです。
 鍵をあけて入ったとたん、真っ暗な部屋の中から、とても怖い形相の男の人が二人、飛び出してきて、わたし達を押しのけて逃げてゆきました。
 何事があったかと思い、部屋に入り電気をつけてみると、事務所荒し(空巣?)だったんです。
 すぐ110番でパトカーを呼びました。
 通報の際も、何度も人相を聞かれ、着いた警官にも聞かれ、さらに、わたしはパトカーの中で、もう一人は事務所の中で聞かれました。
 何度も、40代位の痩せたサラリーマン風の男性で黒っぽいコートを着ていた。下はセーター等ではなく背広風だったと答えていました。
 さらに、様々なことを何度も繰り返し聞かれ、自分の中でも混乱してしまう、記憶の曖昧さ等の経験をしました。

犯人は40代サラリーマン風と言っているのに、警官が示したのは少年たち!
 しばらくして、「顔を見ているのなら・・」と言われ、パトカーに乗って「あの人はどうか?」と聞かれたのは、ゲームセンターの前で2人の警官に挟まれ、道路側に向いて立っている18、19歳位の青年でした。白っぽいマフラーをしてダッフルコートを着た青年とその友達のようでした。
 あんなに何度も「40代のサラリーマン風で黒っぽいコートの男」と言っていたのに
 どうして?、と思いながら、「あんな若い子どもではありません。40代の男です」と答えると、パトカーの警官は、「シロです。シロです。」と無線で言っていました。
 わたしはそれを聞きながら、
 わたし達がパトカーで着くまでの間、ああして立っていたのだろうか、何と声をかけられ、わたし達が「違う」と言った後、警官はその少年たちに何と言ったのだろうか?
 もし、わたしがひどく動転していて、「そうかもしれない・・」などと言ってしまったら、どうなっていたのでしょうか?
 ・・とても怖い思いをしました。
 なぜ、あんなに何回も40代のサラリーマン風の男と言っていたのに、18、19歳位の青年だったのでしょうか?

少年は疑われやすい
 2月17日に議員会館で草加事件の最高裁判決の学習会に参加して、まもなくのわたしの体験でしたので、“えん罪”などがどこにでもおきてしまう可能性のある、怖さを感じました。
 わたしの体験を友人に話したところ、その友人は、息子さんが高校生の時、夜(そんなに遅くない9時頃)道を歩いていたら、警官に呼びとめられたと、憤慨して帰ってきたことがあったと言いました。近くで女子高校生が、嫌な思いをしたとかで警官に呼びとめられたそうですが、その女子高校生が「着ている物が違う」と言ったので、助かったとのことでした。
 違う友人も夜、ママチャリを乗っていて呼びとめられたとか・・。高校生位の子どもの周りには、そんなことが割と多くあることを感じました。
 警官・おまわりさんは市民の味方のような思いがありますが、そんなおまわりさんに疑われるなんて。大人全体にムカツクことになってしまうのです。

少年たちに冷たい社会
 その年齢の子ども達が学校や塾・バイトを終えてしゃべっていたりすると近所からすぐ通報されて、追い払われてしまったり・・。
 児童館でもないし・・。中高生の居場所はほんとうに少ないのです。
 おまけに、抗菌グッズが流行るように、清潔思考というか安全思考というか、社会全体が、この年代の子ども達に冷たいような気がします。
 それは何故なのでしょうか? 

(検察官関与に反対し少年法を考える市民の会 B会員)