少年法「改正」より先にすべきこと
私が体験した警察官
スリに遭ったことがあります。財布には現金の他カードが6枚入っていたので、交番に届けました。駅前交番でしたので、道を尋ねる人には親切な対応でしたが、私の被害届を作った警官は、まるで私が悪いかのような言い方で、「本当は落としたのではないか?」とさえ言いました。夕暮れで空腹感は大きくなるわ、おかず代はなくなるわでウンザリしている上に、追い討ちをかけられて惨めでした。
これだけなら、買物袋のポケットに無造作に財布を入れておいた私のドジな笑い話ですみます。けれど、三日後に、所轄署で被害届番号を確認するように言われました。交番からは書類が提出されていませんでした。仕方なく、再度その交番に出かけて再び嫌な思い!。
たかが、中年主婦の財布一つでこれです。いわゆる犯罪被害者の方たちの状況は想像を超えるとしか思えません。草加事件の報道をみても、えん罪で苦しまれた方々はもちろん、被害者遺族の方々はどうやって悲しみを乗り越えられるのでしょうか。
え!弁護士はついていないの?
また、綾瀬事件のB君のお話を聞いて大変ショックを受けました。少年にもかかわらず、逮捕され、取調べされる時に、とりあえず、弁護士が傍にいてくれるというのは、輸入物のテレビドラマの作り話でしかないのですね。私自身、50歳になっても、知識はおろか表現力の乏しさといったらありません。しかも記憶力まで低下しています。それをたとえば、14歳の少年に、取調室で正確に話せとか、裁判官の前ではっきり言え、と言うほうがムリではありませんか。
改正すべきは、弁護人が必ずついて、取調室の密室性をなくし、被害者にも弁護士がついて情報が法律の正しい運用のもとに開示されることではないでしょうか。
改正すべきは警察監視制度です!
警官がいつも不在の交番。便りにならないお巡りさん。新潟県警の不祥事。草加事件の例のように、証拠を提出しない、隠すといった捜査。どれをとっても急いで改正すべきは、明らかなのではありませんか。「警察組織刷新会議(仮称)」を発足させることです。警察法改正案を、まず、最初に作ってほしいものです。教育すべき、監視すべきは、警察組織で、子どもたちではありません。大人が良心にもとづく法律を運用できる社会だからこそ、子どもたちに向かって倫理や道徳を言えるのではないでしょうか。
厳しくすると良質な警官は集まらないって! ならば、なぜ少年法「改正」ですか!
最後に、(記憶はいくぶん曖昧ですが)先日、「処罰を厳しくすると良質な警官が集まらなくなる」という趣旨の公安委員会の人の発言を聞きました。仕事が大変なのだから悪さをしても退職金をあげるよ、ということでしょうか。それでは、「改正」しようとしている少年法の「厳罰化」とは一体どういう効果があるのか、まったく理解できません。
少年法「改正」案は、どうしても納得できません。特に、検察官関与にはぜったいに反対です。
(検察官関与に反対し少年法を考える市民の会 A会員)